【コラム】マタニティフォトを撮影するということ

マタニティフォトに対する不安と憧れの狭間で
「マタニティフォトって、きれいな人が撮るものでしょ?」
「モデルさんみたいな体型じゃないし…」
「興味はあるけど、なんとなく自分とは縁がない気がして。」
そんなふうに、心のどこかで“憧れ”と“自信のなさ”がせめぎ合っている妊婦さんの声を、私たちはこれまでに何度も耳にしてきました。マタニティフォトは、誰か特別な人だけのものじゃない。けれど、自分の今の姿を写真として残すことに、不安やためらいが生まれるのも、当然のことだと思います。
実際、妊娠中というのは体調も心もゆらぎやすく、「今日はメイクする気分じゃないな」「お腹が重くて動きたくない」という日もあるでしょう。それなのに、写真を撮るなんて…と構えてしまうのは、ごく自然な反応です。
でも、少しだけ想像してみてください。
いま、あなたのお腹の中にいる小さな命は、これから長い人生を歩みます。やがて成長し、「自分はどんなふうにお母さんに愛されてきたのか」を知りたくなる日が来るかもしれません。
そのとき、写真というカタチで「こんなふうにお腹の中で育ててもらってたんだ」と実感できるのは、想像以上に大きな意味を持ちます。
そして何より、それは未来のあなた自身にとっても──「あのとき頑張っていた私」をやさしく思い出す、心のよりどころになるのです。
私たちは姫路で80年間、フォトスタジオを営んでいます。そんな中で、赤ちゃん、七五三、成人式、ウェディング、そしてまた次の命へ──人生をぐるぐる巡るように撮影してきたからこそ、今この“マタニティ”という時間の尊さを、とても大事にしたいと考えています。
写真が苦手でも大丈夫。着飾らなくてもかまいません。
いまこの瞬間のあなたを、そのまま大切に写すお手伝いを、そっとさせてください。
姫路で“おしゃれ”を叶える写真館の視点
東京や大阪のような大都市には、洗練された撮影スタジオが数多く存在し、SNSで見かけるのもそうした都会的な事例ばかり。でも、姫路だって負けていません。
「姫路でおしゃれなマタニティフォトって、どこで撮れるの?」と言ったお悩み。
これについては、私たちのような普段からフォトスタジオに関わっているものなら、姫路市内ですぐにいくつか候補を挙げることができます。
例えば、「ナチュラルテイストでさりげない雰囲気ならこのフォトスタジオ!」「価格よりも質重視。それならこのフォトスタジオ」「自分たちのやりたいの実現に寄り添ってくれるところならこの写真館」
等、専門職だからこそ仕組みが見えるし、最適解への近道を素早く出すことができます。
しかし、いち顧客・ユーザー様が自分に合ったフォトスタジオを探すのは簡単ではありません。
では、皆様が考える「おしゃれなフォトスタジオ」とは一体なんなのか。
「おしゃれ」には定義がありません。おしゃれといっても色々な考え方があるからです。
しかし、人それぞれに、その人なりの“おしゃれ”があります。
そして大事な視点として、一言に“おしゃれ”といっても、“物としてのおしゃれ”と“品性としてのおしゃれ”この二つに分かれるのではないかと考えています。
例えばファッションの世界であれば、ブランド物をいっぱいつけて【自分はおしゃれです!】なんて発信するのは、物はおしゃれでも、全くおしゃれな行為ではないですよね。
なぜそう感じるのか?
それは「物事の本質が見えていないから」ではないでしょうか。
つまり、“おしゃれ”とは“ものごとの本質を捉える力”だと私は感じています。
物事の本質を捉えるということ。
そういった感覚を持って、フォトスタジオを選ぶ際に、参考にしていただければと思います。
いやいや。結局解答がふわっとしてるよ・・・?
そう思った方、鋭いですね。
ではフォトスタジオの本質とは何か?
また、本質とズレたフォトスタジオとは何か?
あまりにも長くなりそうなので、別のページで紹介しますね!
「マタニティフォトはしたいけれど、派手すぎるのはちょっと違う」
「おしゃれだけど、自分らしさを大事にしたい」
そんな感性を持つ方にこそ、私たちのような姫路の写真館はフィットするのかもしれません。
都会的すぎない、でも洗練された一枚。
肩肘張らない、でも“ちゃんときれいな写真”。
そんな“ちょうどいいおしゃれ”を、姫路から発信していけたらと思っています。

専門スタジオとオールジャンルスタジオの違い
最近では撮影ジャンルを絞った「専門スタジオ」が人気を上げてきています。
過去のフォトスタジオがオールジャンルで撮影を行なってきていた理由としては、「情報が少ない時代、総合的に戦わないと顧客数が足りなくなり、生き延びることができなかった」からです。
しかし今は、SNSを上手に利用することで、1ジャンルに絞ったとしても見込み顧客に情報を効率良く届けられるようになったため、可能になりました。
売り手側としては、専門に特化することで集客がし易くなるという点以外にも、小さな資金で危険を冒さずスモールスタートができるという他に変えられないメリットがあるからです。
また、都会エリアではついに「マタニティ専門スタジオ」がじわじわと流行り始めています。おしゃれな衣装がずらりと並び、ポージングも撮影もすべてが洗練されている。そうしたスタジオに魅力を感じる気持ちは、よくわかります。
けれど、私たちは「写真を通じて人生をデザインする専門家」という立場から、マタニティフォトの可能性を伝えたいと思っています。
ではなぜstudio ateは専門スタジオが流行り始めているこの時代に、あえて危険を冒してオールジャンルスタジオを作ったのか?
これについてはめちゃくちゃ長くなるので、詳細はまた別の機会にして今日はオールジャンルスタジオの強みをお伝えします。
私たちのようなオールジャンルフォトスタジオは、マタニティだけでなく、赤ちゃん、お宮参り、七五三、入園入学、成人式、ウェディング、家族写真と、あらゆる節目に寄り添ってきました。一見すると“なんでも屋”のように思われるかもしれません。けれどそのぶん、私たちは「人生を丸ごと知っている」のです。
たとえば、マタニティ撮影に来てくださった方が、数年後に七五三で再びスタジオに戻ってこられることがあります。そのとき、「この子がお腹にいたとき、こんな顔だったんですよ」とマタニティの写真を見せると、みんな笑ってくれます。お母さんも、お父さんも、そして子ども本人も。
撮影は、その一瞬を切り取るだけのものではありません。
それは、未来へと続いていく物語の中の“伏線”です。
そして、物語全体を知っているスタジオだからこそ、「いま、この瞬間をどう残すか」の意味を深く理解し、提案することができます。
もちろん、私たちも今のトレンドや撮影スタイルには敏感です。
若い感性に届くように、照明や色味、構図にもこだわります。
「◯◯専門スタジオ」は確かに魅力的に見えるかも知れません。しかし、「オールジャンルだからこそ、流されず柔軟でいられる」。それが、私たちの強みです。
「その人の人生を見続けてきたスタジオです」と。
写真を撮るということは、誰かの人生のページをめくるお手伝いをすること。
そのページの一つとして、“いま”を大切に写せたら──それこそが、写真館の役割だと信じています。
Q&Aとまとめ:未来への贈りものとして、いま写す理由
Q. 写真が苦手なんです。自然に撮ってもらえますか?
A. とてもよくいただくご相談です。
カメラを前にすると緊張してしまうのは、誰でも同じです。
私たちは、まずお話をしながら空気を整え、自然に笑顔が出てくるタイミングを大切にしています。
目線を外したカットや、お腹にそっと手を添えるだけのショットなど、無理に“笑わせる”のではなく、“にじみ出る表情”を捉えます。
Q. 夫や子どもも一緒に撮れますか?
A. もちろん大歓迎です。
お子さんがいるご家庭では、兄弟姉妹と一緒に撮ることで、その瞬間の家族の姿がしっかり記録に残ります。
特に、お腹の赤ちゃんに話しかけるシーンなどは、撮っている私たちまで思わず涙ぐんでしまうほど温かい時間になります。
Q. 撮るタイミングはいつがベスト?
A. 一般的には妊娠7ヶ月〜9ヶ月ごろ(28週〜36週)がおすすめとされています。
お腹の丸みがはっきりしていて、比較的体調も安定している時期です。
ただし、お身体の調子は人それぞれ。無理のないタイミングを一緒にご相談しながら決めていきましょう。
写真という“無言の手紙”
撮影を終えて数年後、アルバムを開いたママが涙を浮かべながら「撮ってよかった」と言ってくださることがあります。
ご自身が頑張っていた姿を見て、優しい気持ちになれる。
そして、子どもがその写真を見て、「お母さんは自分を大切にしてくれていた」と感じられる。
それはまるで、“無言の手紙”のように、未来へと届くメッセージなのです。
専門ではなく、でも誠実に
私たちのスタジオは、マタニティだけを扱う専門店ではありません。
でも、人生に何度も関わるからこそ、すべての瞬間を丁寧に写す責任と誇りを持っています。
あなたと、あなたのお腹にいる小さな命の“いま”が、未来にとってかけがえのない宝物になることを、私たちは知っています。
ママになる前のあなたへ。
「今」のあなたは、きっとあなたが思っている以上に、美しく、強く、優しい。
その姿を、未来のあなたと、あなたの大切な人のために。一枚の写真として残してみませんか。
いつか未来のあなたへ